2017/02/22

クインタイルについて


クインタイル(72度)はマイナーアスペクトとされていますが、ノエル・ティル氏が提唱する心理占星術においては「創造的衝動」として重要視されているアスペクトです。

クインタイルは円を5分割する度数で、ハーモニクス5でコンジャンクションになります。
ハーモニック占星術を考案したジョン・アディー氏はハーモニクス5を重要視しているため、マイナーアスペクトと言えども、出生図を見る上では考慮することが必要です。
ハーモニクス5では、創造的な欲求や衝動、生命力、個性的なスタイルやそのエネルギーを見ることができます。

クインタイルを2倍にしたアスペクト、バイクインタイル(144度)も同様に創造的な衝動を表します。
しかしバイクインタイルは内的な衝動です。クインタイルの創意を押し出したり、成長させたり、輝かせたりするための「訓練」「精神性」「心構え」のようなニュアンスです。

これらはハーモニクス5で全てコンジャンクションになるため、出生図と重ねることで、吹き出してくるような創造性がどの方向に向けられるのかを読み取ることができます。

ただ、クインタイルの数が多ければ多いほど創造性が増幅される、というわけではありません。
どちらかと言うと、その人自身の考え方に豊かさ、多彩さが浸透していると考えます。
ですから出生図にクインタイルがひとつしかない、という方は創造性が少ないというわけでは決してなく、そのクインタイル固有の象意が目を引きやすい特徴となってくるのです。



Yさん(男性)の出生図です。(掲載許可を頂いております)

いわゆるグランドクインタイルと呼ばれる配置です。オーブは少し広めに取っており、この出生図では最大で1.4です。

Asc-天王星-火星-水星-土星、5つのクインタイルと同時に5つのバイクインタイルで構成されています。

さらに、冥王星を頂点とする月-ドラゴンヘッドの二等辺三角形、金星-キロンのクインタイルも加わって、
全部で7つのクインタイルとバイクインタイルが存在する出生図となります。



Yさんは私の友人で、球体関節人形の制作をされている方です。といってもYさんの人形はドレスを纏ったような普通の可愛いお人形ではなく、
人形を一旦分解し、いわゆるシュールレアリズム的に再構築したもので、抽象的で不可解なのに一度見たら目が離せないような、切迫した雰囲気が漂う芸術作品なのです。

5歳のとき、お母様に連れられて人形浄瑠璃を何度も見に行ったことが今につながっているとおっしゃっていました。

彼のハーモニクス5の図では、5室カスプを少し過ぎた蠍座27度にAsc-天王星-火星-水星-土星がコンジャンクション。
射手座n海王星-木星コンジャンクションにはオーブが7度離れているので、コンジャンクションとするには少し離れすぎかもしれません。
それでも、本質を求める欲求、自分の鋭敏な感覚で確固たる世界をつくり上げたいという強い衝動が読み取れます。
ハーモニック図のサインの前後にある天体は他の場所より強く働くのです。

10室牡牛座18度n土星の上にハーモニクス5の金星-キロンがコンジャンクション。
彼の作品は、心身共に傷付いた女性が再生していこうとする希望の兆しを感じ取れるものが多いのです。



さて、Yさんは都内で個展を開くほどの実力をお持ちで、実際に広告代理店の方や出版社の方から作品の依頼が来るほどだったのですが、全て断ってしまっているのです。
それは「依頼者の好みに迎合して作品を創ることが何よりも苦しい」からなのです。

それは出生図の10室牡牛座の月にも表れています。
この配置は彼の仕事が一般に受け入れられる素地を表します。
しかしAscのルーラーでもあるこの牡牛座の月は、強い理想・理念と共にありますが、時には必要な変化を起こしづらい頑迷さとなることもあるのです。

人形の制作一本で仕事をしていきたいけれど、自分の理念から外れた作品を創るのは何よりつらい。
創造性が常に渦巻いているような衝動を持つYさんにとって、理想と現実はあまりにも乖離していました。

8室魚座のn太陽-水星コンジャンクションが5室n海王星-木星コンジャンクションにスクエア。
物腰が柔らかく、いつも誰にでも穏やかに接するとても優しい方ですが、繊細すぎる面もあり、精神的な脆さも抱えています。
それでも毎日生活していかなければならない。彼は今でも日雇いの仕事を転々としながら寝る間も惜しんで自分の世界観を貫きながら制作を続けているのです。

松村潔先生の「完全マスター西洋占星術」、クインタイルの項にこんな記述があります。
一部引用させていただきます。

世の中には五角形の図形が非常に頻繁に出てきます。
これは異物を廃して、個人としての人間性を防衛し、純粋な個人としての可能性を拡張する図形です。
人のことに構う気はなく、単独の個人としての夢を広げるのです。

他の方の例が少なすぎて検証しようがないのですが、ライツの状態を加味したとしても、彼の「閉じた衝動」に関してはこの「グランドクインタイル」という配置に関係があるのかもしれません。

金星-キロンの象意が際立つ彼の作品と世界観が愛され、理解され、広まっていくことを願ってやみません。

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