2017/03/04

水星について ~作家のアスペクト


本を読むのが好きです。
月の年齢域――物心がついた頃、毎週水曜日、近くの公園に「移動図書館」がやって来るのを楽しみにしていました。1人7冊まで借りられるのです。
7冊を持って帰るのは毎回大変でしたが、外国の童話、偉人伝、ファンタジー、片っ端から乱読しました。


水星の年齢域になると、明治中期~昭和40年代くらいまでの日本の文学が好きな、立派なオタクになっていました(出生図で5室カスプが山羊座なのです)。
小学生のくせに太宰治に没頭して「私は太宰治の生まれ変わりなんや……」と本気で思っていた、どうしようもない暗い子供でした(笑)
かと言って勉強はあまりできませんでした。
遊びや課外活動を禁じる母との世界が全てだった当時、自分の心にぴったりと寄り添ってくれる作家を見つけられた心強さが大きかったのだと思います。
また、本は唯一私に「知らない世界」を教えてくれたものでもありました。本は私の心のよりどころだったのです。



月の年齢域において、環境によってすりこまれる感情のパターン、好き嫌いのパターンは漠然としていて言語化されませんが、水星の年齢域ではそのパターンを土台として知性となり、具体的に言語化しようとします。
それは水星が「つながりを作る」天体だからです。
旅行もしくは移動、そういった物理的な意味でのつながりは勿論、象徴Aと象徴Bを結び付ける言語能力といった抽象的な意味でのつながりをも意味します。
個々の経験や知覚を検証し、つなげて、統合させる能力なのです。
水星域に習得した考え方ややり方は大人になってもずっと続きます。

また、水星のアスペクトが豊富だと、その分表現能力やコミュニケーション力に多様性が出ます。ひとつだけだとしても、その限られた分野に関心を持つことになるのです。



そこで、オタクついでに(?)、「言語」を扱うエキスパートである明治~現代の日本の様々なジャンルの作家(小説家に限る)、30名を無作為に選んでみました。
勿論、ホロスコープは全体を見なければならないのですが、今回は水星のアスペクトに限定して、作家(小説家)がどのような水星の特徴を持っているのか検証してみたいと思います。

まず、好きな作家含め無作為に選んだ日本の作家30名リストです。以下、敬称略とさせて頂きます。(ちょっと趣味が偏っているような気が…)

30名の作家(小説家) (敬称略)(五十音順)
前提として、出生時間が不明な作家が多いため、全員出生日の12時の時点でホロスコープを出しています。水星逆行についても同じ時点で判断します。水星のハウスは考慮しません。

アスペクトはメジャーのみ考慮します。トランスサタニアン、小惑星が発見されていない時代の作家もいますが、全て考慮して見ています。

さて、水星の特徴を大まかに箇条書きにしてみます。

  • 水星のサイン:牡羊1名・牡牛2名・双子4名・獅子4名・乙女2名・天秤1名・蠍1名・射手1名・山羊3名・水瓶5名・魚6名
  • 水星逆行:8名
  • 水星ノー・アスペクト:2名
  • 水星-金星アスペクト:5名(ソフト3名、ハード2名)
  • 水星-火星アスペクト:4名(ソフト1名、ハード3名)
  • 水星-木星アスペクト:14名(ソフト4名、ハード10名)
  • 水星-土星アスペクト:12名(ソフト3名、ハード10名)
  • 水星-天王星アスペクト:10名(ソフト3名、ハード7名)
  • 水星-海王星アスペクト:13名(ソフト4名、ハード9名)
  • 水星-冥王星アスペクト:8名(ソフト1名、ハード7名)
  • 水星-キロンアスペクト:10名(ソフト3名、ハード7名)
  • 水星-ノードとの関わり:9名(コンジャンクションのみ)


★ノー・アスペクトの水星を持つのは三島由紀夫(射手座金星-山羊座水星コンジャンクション、アイランドになっています)と司馬遼太郎(獅子座水星)です。



では、水星のアスペクトについて私なりに検証し、興味深かった点をいくつか挙げてみます。


①昔に比べて、水星逆行を持つ現代(昭和50年代~現在にかけて活躍)の作家が多い

上記リストでは、水星が逆行している作家の8名のうち6名が現代の作家です。
逆行水星は分析・思考すること自体の衝動が強くなり、独自の考え方を発展させていきます。過去に考えたことを振り返って再考し、良いものへと確立していこうとするのです。
このリストの他にも現代の作家をチェックしてみましたが、昔の作家と比べると水星逆行を持つ作家の割合は多いように思います。
様々な文学の題材が出尽くし、様々なジャンルにおいて猛スピードで作品が量産されている現代において、独自の世界を構築する逆行水星の作家に人気が集まるのもうなずけます。


②現代の作家に、水星-天王星のアスペクトを持つ人が増えてきた

一般的に、水星-天王星のアスペクトは外国の作家によく見られ、情緒性を重んじる日本の作家は水星-海王星のアスペクトが多いと言われます。実際昔の日本の作家にはよく見られるアスペクトです。
勿論、昔でも水星-天王星を持つ作家、現代でも水星-海王星を持つ作家はいるのですが、天王星の影響がある有名作家が近年特に多くなってきています。
上記リストの現代作家の中で水星-天王星が特に効いているのは山田詠美、宮本輝ですね。
若い作家だと(上記リストにはありませんが)金原ひとみ、乙一など、枚挙にいとまがありません。
情緒というよりも、意表をつく着目点、独特な題材を時代が求めていることの表れなのかもしれません。


③現代の若い作家に、水星-個人天体のみ、ソフトアスペクトの組み合わせが多い

昔の作家は、ほとんどもれなくと言っていいほど、水星自体にトランスサタニアンが関わる例が顕著です。
しかし昭和50年代以降生まれの若い作家は、水星自体に個人天体、もしくは土星のみがソフトアスペクトで関わっている例が出てきていました。
水星の状態が良くても、ライツにトランスサタニアンがハードで関わっている作家もいます。(出生時間不明の月ですが、オーブ等考慮しています)

例えば(上記リストにはありませんが)最年少で芥川賞を受賞した綿矢りさの山羊座水星は蠍座火星-土星コンジャンクションとセクスタイルのみ。
しかし水瓶座太陽には冥王星と火星-土星がそれぞれスクエアを取っています。動きづらい重苦しい配置ですが、水星の領域に関しては歳を経るごとに収穫が大きくなりそうです。
また、乙女座逆行水星-太陽コンジャンクションに双子座木星のトラインのみ、という三浦しをんの水星が強調された配置も、時代の流れという感じで興味深いです。


④昔も今も、キロンとの関わりが顕著

昔も今も、水星-キロンを持つ作家が多かったです。ライツ-キロンにまで広げると、上記のリストで80%以上もの作家がソフト・ハード関わらず持っていました。
改めて、文学とは、痛みや苦しみを昇華させる芸術でもあるのだと思います。

谷崎潤一郎を例に挙げると、獅子座水星に対し、双子座金星-キロンのコンジャンクションがセクスタイル、同時に冥王星-海王星コンジャンクションがスクエア。
お読みになったことのある方は、いかにもと言った感じがしませんか。



川端康成 1899/06/14 12;00 大阪府大阪市
芥川龍之介とどちらにしようか迷ったのですが、左図は出生時間を12:00に設定した川端康成の出生図です。ハウスは考慮しません。

双子座21度付近の「身体感覚が無くなるほどの知性の追求」。
華々しい経歴を持つ川端康成ですが、強迫観念とも言える神経の緊張と鋭敏さ、同時に深い思考が見て取れます。
水星が発達した作家達が命を削るようにして書いた作品を、時が経っても大切に味わえるのはありがたく、幸せなことだなと思っています。


で、私の水星はと言えば、タイトなアスペクトのみ取り上げると、9室カスプ前の牡羊座水星-火星コンジャンクションが、12室カスプ前の獅子座木星とスクエア。とても気を付けてはいるのですが、どうにも文章が簡潔に書けず、詰め込みすぎてダラダラ長くなってしまうという平凡ぶりなのです…。



作家の水星アスペクトについていくつか気付いたことを挙げてみましたが、書き切れなかったことも多いので、何かご質問やお気付きになったことがありましたら、教えて下さると嬉しいです。

水星に関しては、いつか将棋の棋士や、瞬時の判断が必要なスポーツ選手などの出生図を検証してみたいなと思っています。

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