2017/10/12

〈番外編〉リロケーションの旅 ~アストロ・マップ・ワーク


今回の記事は〈番外編〉となります。もしよろしければ、お付き合い頂けると嬉しいです。

8月末、占いに興味の無い夫が、どこで知ったのか突然「仕事運が上がる土地に行きたい」と言い出しました。



2017年8月22日、日蝕時の夫の5重円です。内円から、出生図/太陽回帰図(2016)/CPS/年齢HN(40)/日蝕図となります。大まかな特徴を挙げてみます。

2017/08/22 03:29 日蝕時
■日蝕が起きた度数は、太陽・月・火星・MC・Asc/ドラゴンヘッド=冥王星を満たすミッドポイント(HN8)
■n木星に年齢HN月-キロン・土星-Vtがコンジャンクション
■t土星がn月-火星にコンジャンクション
■t天王星がnノード軸、pAscにオポジション
■p太陽がn土星とオポジション
■p月が9室でSAドラゴンテイルとコンジャンクション
■SA土星がnAscとコンジャンクション
■SA木星が10室入り、n太陽とオポジション

夫は今の会社に転職して10年目。入社時からがむしゃらに頑張ってきたつもりが、なかなか目に見える成果としてつながらない。
今は仕事の仕方を含め、変えていくべき面やあらゆる角度からのアプローチについて、俯瞰するつもりで少し余裕を持たせ、立ち止まって考えているとのことでした。

SA(ソーラー・アーク)土星-木星がアングルに関わることで目標を掲げるのに良い時期ですが、これだけ土星の影響が重なっている場合、仕切り直し・軌道修正されるといったニュアンスが出てきます。具体的に結果を出さなければならない、という強迫観念や圧迫感も生まれやすいです。
さらに年末の太陽回帰時にはn太陽にt土星が重なるため、来年1年でどのように動いていくべきか、といったことがテーマとなってくるのです。

また、年齢HNで関わるn木星は出生図ICの支配星。プライベート(家庭)のことでも責任が大きくなってくることが示唆されています。日蝕が12室で起こっていること、ノード軸へのアスペクトが強調されていることからも、大きな意識の変わり目であることが推察されます。



ちなみに、出生図は出生地の緯度・経度によってハウスの配置が決まりますが、リロケーション図はその緯度・経度を変えることによって出生図のハウスの"縛り"から離れるきっかけを考えるのに適しています。

ただ、いくら緯度・経度を動かしても、出生図の天体自体のアスペクトは変わらないため、ただ単に「MC-木星ラインの土地に行けば仕事運が上がる」と一概には言えない事情もあります。全ての天体の位置を考慮することが必要というわけです。

ですから鑑定でも、仕事運や恋愛運を上げたい、とおっしゃるお客様には、個々の出生図の天体のアスペクトを考慮して、アングルのサビアンも含め、最も良い形で活性化できるようなリロケーション図をお作りすることもあります。
実際に旅行できないような場所でも、その土地の写真を見たり特産物をネットで購入したりと普段の生活に取り入れることで効果が表れるようです。

例えば、とにかく出会いが無いとおっしゃったある男性のお客様は、トランジット等でも変わり目の時期だったのですが、昔から毎日行っていた5分間の瞑想にリロケーションした土地のビジョンを取り入れることで、複数の女性との出会いがあったとメールを下さいました。
似たケースでも、何人かの女性のお客様からご報告を頂いています。リロケーション図が単なる「ラッキー・スポット」だけでない、様々な可能性を秘めているということを感じさせてくれますね。



夫:MC-SA木星ライン
今回の場合は実際に現地に出向く旅行だということと、休暇日数も限られているということで、出生図を下地にした海外のリロケーション図を使うことができなかったのですが、進行図で探してみたところ、国内にMC-SA木星ラインがありました。

冒頭で書いたように、現在SA木星が出生図の10室に入ったところで、n太陽とオポジションを形成しています。期間限定ではありますが、効果は期待できそうです。ついでに私も何か通っていないかと確認したところ、Asc-p月ラインが通っていて驚きました。

折しも9月20日の乙女座新月は夫のAsc上で起き、半月後の10月6日牡羊座満月は私の月の上で起きます。何となく、旅がすでに始まっているような気がしていました。
夫だけでなく、私にとっても意義深い旅になるかもしれない…というわけで、9月26日~29日、3泊4日の釧路旅行が決まったのです。



釧路湿原
26日は、釧路空港に到着してすぐにレンタカーの手続きをしました。

北海道には何度か来たことがありますが、釧路は初めて。北海道特有の、信号がほとんど無い、どこまでも続く真っ直ぐな道の両側には、湿原が遥か遠くまで広がっていました。

最初に出掛けたところは、釧路湿原が一望できる展望台です。3000年前からほぼ原形を保っていると言う蛇行する釧路川も一目で見渡せる雄大な景色でした。お天気も良く、昼間は日差しも強くて暑いくらいでしたが、湿度が低く、風も冷たく爽やかで、とても気持ちの良い気候でした。

鳥のさえずりを聴きながら森の中をのんびり散策し、いろいろな話をしました。そう言えば最近は忙しさにかまけて会話も少なく、喧嘩も多かったなと思い出していました。


タンチョウヅルの「エク」(オス)
そう考えていた矢先、釧路市内の「丹頂鶴自然公園」で印象深い出会いがありました。
この公園は日本の特別天然記念物「タンチョウ」を保護・繁殖させるための施設です。広い湿原を単純に金網で仕切ったそれぞれの檻(縄張り)にタンチョウ達が暮らしています。

檻と言っても屋根が無いので、かつてはタンチョウ達も自由に飛んで散策し、縄張りである檻へきちんと帰ってきていたそうですが、最近は鳥インフルエンザ対策によって一時的に羽を切って飛べないようにしてあるとのことです。

タンチョウヅルは常に「つがい」で行動するそうです。この公園には少なくとも8組の夫婦が暮らしていて、それぞれの縄張りで夫婦が寄り添って優雅にのんびりしている光景が見られました。

ところが、ある1組の夫婦のところだけ様子が違っていたのです。上記の写真「エク」(オス)のスペースだけ、2重に網が張り巡らされており、檻も狭め。飼育員さんが近付くと、頭の赤い皮膚を膨張させ、とてもゆっくりノシ、ノシ、と歩き回っています。

「これは威嚇行動です。普段は血液検査なんかもするので、私達が近付くと警戒するんですね。奥さんも放っておきがちなんですよ。彼(エク)は恨みを絶対に忘れないんです」
若い飼育員さんが冗談めかしてそうおっしゃって、周りの観光客の方も笑っていましたが、エクは構わず必死に自分のテリトリーを守ろうと闘争心をむき出しにしていました。


すばしっこい野生のリス
他を見て回り、私達がエクのところに戻ってきたときには飼育員さん達も引き上げた後でした。エクはまだ狭い檻の中での見回りに余念がないようでしたが、安心したのかエサの小魚を食べ始めました。

すると、大きなカラスが集まってきました。エクのエサを狙っているのです。20羽以上はいたでしょう。エクの隙をついて、代わる代わるエサを奪おうとします。エクはまた威嚇態勢に入ってカラスを追い払おうとします。しかし、両隣の檻はのんびり、平和そのもの。何故かエクの檻でだけ、こういった戦いが繰り広げられていたのです。

何だか、自分自身を見ているようでした。現在、私の出生図で強調された牡羊座水星にt天王星がコンジャンクション。最近、何でもないことでセンシティブになりすぎていると感じていました。
狭い檻の中で、心配することなどひとつも無いのに、ひとりで神経質になって周囲を警戒し、ノシノシ歩き回っている。
何故か他のタンチョウを襲わずに、エクだけを狙うカラス達も、エクの強い防衛心を見透かしたかのようで、あざ笑っているようにも思えて胸が痛みました。いつかエクが毎日楽しくのんびり過ごせる日が来るよう、祈らずにはいられませんでした。



阿寒湖
阿寒湖ではモーターボートを貸し切りにして、広い湖を見て回りました。
モーターボートを運転してくれた若い男性のガイドさんから楽しいお話を伺いながら、湖の中にある「マリモ展示観察センター」を見学しに行きました。

左の写真、とても分かりづらいのですが中心に小さな小さな島が浮かんでいます。ここは昔から「龍神様」が住む島と言われているそうで、(東洋の占いは全くの不勉強なのですが)「辰年」の夫と二人で掌を合わせてご挨拶させて頂きました。

ガイドさんはセンターでも詳しく説明して下さいました。そもそもマリモは最初から丸いわけではなく、細い糸状体の苔が集まった「集合体」なのだそうです。阿寒湖特有の厳しい条件を満たさないと育たないということでした。

マリモの原型
中でも印象に残ったのが、約7年(早くて5年)でマリモの球体が壊れてしまうというお話でした。
「阿寒湖の特殊な環境でマリモは大きく育つんですが、結局外的要因によって壊れてしまいます。でもマリモ自体が死ぬわけではないんです。また小石なんかにはりついて、球状になっていくんです。一見壊れたように見えても、マリモは永遠の命を持っていますから、また再生されていくんですよ」

占星術で7年、と言えば土星。約7年毎にスクエアを形成します。冒頭で書いたように、現在夫の星回りは土星が強く効いているときですから、最初は小さくても時間をかけて力強く集合体となって再生していくマリモに励ましてもらえたような気がしました。

雄阿寒岳(おあかんだけ)
対向に雌阿寒岳もあります
その後、センターの周りを少し散策したときに、ガイドさんと偶然「アイヌ民族」の話になりました。現在アイヌ民族の方は120名ほどいらっしゃるそうで、なんとガイドさんもそのひとりだと言うことでした。

「純血のアイヌはもう居ません。でも、(北海道)本土のアイヌと、樺太から来たアイヌで大体分かれていて、僕は樺太から来たアイヌの子孫です」

そうして、ガイドさんは自分の腕をまくり上げておっしゃいました。
「僕、男のくせにあんまり体毛が生えないんですよ。これは樺太のアイヌの特徴で、背が高くて、襟足の髪だけがくるくるしています。逆に本土のアイヌは毛深くてがっちりした感じなんですよ」
確かにガイドさんの腕は女性のようにツルツルで、スラッと背の高い男前。襟足の髪も特徴通りでした。
「本土のアイヌは"山の民"。樺太のアイヌは"海の民"と呼ばれていたんですよ」
私達は、丁寧に案内して下さった"海の民"にお礼を言って、阿寒湖を後にしたのでした。



野生のシカの親子
網走にも行きました。夫のSA木星ラインに重なるように、遠回りして北上しました。その日は曇っていて昼間でも外気温12度。とても寒かったです。

ライン上では、自宅で食べられるよう、地元で採れた加工食品を買いました。野生のシカの親子にも会うことができました。長い山道を抜けて、オホーツク海が見えたときは感動しました。


網走監獄
網走では有名な「監獄」を見学し、何度も脱獄を成功させたという白鳥由栄の年表が展示されていたので、出生図を思わずその場でこっそり検証してみたりしていました(笑)

展示が非常に充実しており、全てが12ハウス的象意に満ちていました。
監獄は勿論、隔離された場所ではありますが、昔から網走という町と監獄が良い意味で密接に結びついており、農業やものづくりの実験的なシステムや、その発展の一端を網走監獄が影で担っていたということも知りました。



網走湖の夕暮れ
旅の途中では野生のタンチョウのつがいや、野生のリス達にも会えましたし、たくさんの牛や馬が広い牧場でのんびりと草を食む様子も見ることができました。

新鮮な海産物やお寿司、海を眺めながらの炉端焼きも楽しみました。滞在中は毎日、美味しいビールも飲みました(笑)

上記に書かせて頂いたエピソードはほんの一部で、今はまだうまく整理できていないのですが、この期間、この日、この場所、この時間で偶然交差した全ての人や出来事が、普段の生活の象意と結びつくことによって、新しい視点が得られるのだと思っています。

リロケーション図を活用する、ということは枠にとらわれない新しい自分を発見すること、また自分自身の一部をクローズアップして意識することにつながります。

ただそれは、自分の基盤である出生図に、トランジット等で刺激され顕在化する「日常の気付き」からも充分に学べる余地がある、ということでもあるのではないかと考えています。私自身、その学びにあまりに鈍感になりすぎていたと感じるのです。

現在t木星が蠍座に入り、私と夫の3室で影響を及ぼし始めました。毎日の学びを大切にする、というのは実際にはとても大変なことだけれど、今はこの小旅行での出来事を時々思い出しながら日々を過ごしていけたらと思っています。

2 件のコメント:

  1. 桐吉先生、こんにちは!

    ご夫婦でリロケーションの旅、素敵ですね〜いいな。
    おふたりとも北海道に良いラインが走ってるのも、うらやましい限りです。
    ご主人様の現在の配置、私などからしても「しんどそうだな。。」って思います、
    歩いても歩いてもトンネルが続くような、あの土星の試練…
    私はずっとt土星が6ハウスを運行中で、約2年間かかって、断薬と禁煙をすることができました。
    もうすぐ7ハウスだ、って時になって、急にバタバタとカタチになってきた感じです。
    努力は裏切らないんだナって、土星の力をしみじみ実感してます。
    旦那様に「わー!頑張ってきた甲斐があった!!」という、土星の置き土産局面が訪れますように。
    おなじ40歳仲間としても、心からエールを送らせてください。
    そして旦那様が、これを機に占星術に凝りはじめたら楽しいですね( ゚∀゚)o彡°

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    1. ひぃさん、いつも優しいコメントを下さりありがとうございます。
      ひぃさんはt土星が6室進行中に習慣の変化があったのですね。貴重なお話、シェアをありがとうございます。
      私の6室にt土星が通過したときは、大きく生活習慣を変えざるを得なかった時期でした。土星にはメンテナンスという象意がある反面、6室入りすることで忙しさとなって出ることもあるようですね。

      また、夫にまでエールを下さって嬉しかったです、ありがとうございます!
      占星術をすることはまず無いと思いますが(笑)、今回の旅行後、仕事面で早速動きがあったそうです。
      夫のn月(=妻)にt土星が合、少なからず影響を受けている私としても、いろいろ考えるところがありました。

      ひぃさんもぜひ素敵なご主人様とアストロ・マップ使ってみて下さいね!
      ありがとうございました。

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