2018/03/14

5ハウスについて


今年初頭から始めた「星々の意匠」は、私の個人的な趣味嗜好が全開になりすぎているのか、 「よく分からない」とご感想を頂くことが多いです _| ̄|○
確かに今になって読み返してみると、これ単なるファンのブログやんけ…といった感想が湧き上がってきます。

自分が心の底から好きなこと・興味のあることを話したり書いたりするとき、それは自然、熱を帯びてくるものですよね。
誰にも理解されなくとも、何と思われようとも、好きなものは好き。それは5室の象意でもあります。
ブログやSNSで文章を書くという行為自体も5室の象意に関連してきますが、中でも私にとって「星々の意匠」は非常に5室的な衝動の表れなのかもしれません。



「習慣に基づいた心の拠り所」である4室は、「気持ちの上での個人的な基盤」と言えます。慣れ親しんだ環境の上にこそ、自分自身を立脚させていくことができるからです。
同時に、慣れ親しんだ「心の拠り所」であるからこそ、最も心休まる場所であり、安心して情緒を発達させていける場所であるとも言えます。

5室という場所は、そういった4室で、自分の"基盤"や"心(感情)"がフル・チャージされ、その高まりに乗じて自然、「排出」に向かう場所です。

「排出」には様々な面があります。
心から感動したこと・楽しかったこと・好きなことなどを発していく自己表現。さらにクリエイティブな芸術表現、趣味、道楽、投機、事業欲、恋愛、出産(子供)、セックスなどといった面も挙げられます。

占星家のケヴィン・バーク氏(Kevin Burke)は、5室を"パーティー・ルーム"と表現し、「気分の良さ」を与えてくれるハウスであるとしていますし、心理占星術を提唱するノエル・ティル氏(Noel Tyl)は、こういった概念を発展させ「愛情を与える行為」を指すと言及しているのです。

"5"という数字は、"1"からの流れで考えたときに、「個人として完成する」といった意味があります。
そのチャージされた「完全体」の中からあふれ出る心の喜び、高まりを思い切り「排出」していこうとする「遊びの部分」を持ったハウスでもあるのです。



ただ、5室を考える上での重要な観点として、こういった「排出」は、あくまで一方的なものである、といった点が挙げられます。
5室のナチュラル・サインは獅子座であり、支配星は太陽。つまり、主観性が強く、他人には理解されづらいという面があるのです。

太陽が象徴する強い「エゴ」は「押し付けがましさ」といったニュアンスで表れる場合もあります。
獅子座というサインは、自分の気持ちを純粋に表現していくため、他人の需要や気持ちを汲む要素に欠ける面があるからです。
加えて、その純粋な表現に対する他者からのなんらかの反応や承認を渇望してしまう面もあるため、このあたりは大きな葛藤となりがちで、自分は人に理解されない、という思いを人一倍抱きがちな面もあります。

それでも5室という場所は、自分自身が唯一無二の存在として楽しく自由に過ごすために、長い人生において非常に重要な場所であると言えます。
また、その「好きなこと」を仕事にしやすいか、そうでないのかといった傾向は、アスペクトや支配星の流れによって推察することができます。




Aさん出生図
左図はAさん(男性)の出生図です。(内容含め、掲載許可を頂いております)

Aさんの12室には世代相である山羊座天王星・海王星・土星が在しています。

特に山羊座天王星-海王星コンジャンクションの世代は、夢やビジョンを改革して形にしていく世代と言われ、オンライン・ゲームの普及、YouTuberの出現などの特徴が挙げられます。

こういった特徴は、他の世代から見ると、なんとなく変わっているように見えますし、何を考えているのかよく知らないし、分かりづらい印象があります。

しかし蠍座に冥王星が在していることもあって、その"変わったこと"を、戦略やその効果を考慮した上で、真面目にコツコツ積み上げていき、大きなことを成し遂げることができる世代であるとも言えます。

ただAさんの場合、こういった天体が12室に在しているということ、またAscの支配星がその12室に流れていることから、上記のような世代的な要素はあれど、理由も無く落ち込んだり、自信を喪失しがちであったり、屈折しがちだったりする傾向が出てくるため、一見、無口で表情に乏しく、おとなしい印象があります。

しかしそれは同時に、Aさんご自身の考えがあくまでも内部に向かう性質のものであるため、他人が一見しただけでは分かりづらいということでもあるのでしょう。
フタを開ければ、本当は非常に個性的で、情熱的な方でいらっしゃるわけです。



5室には双子座火星。フットワークが軽く、興味の対象も変化しがちです。
Aさんの趣味は「いろいろなアイドル声優のコンサートに行くこと」。

リマーナすず先生は、5室に天体がある場合、好きという気持ちが高じて排出されるひとつの形として、いわゆる「追っかけ」をする方が多いとおっしゃっています。

私が鑑定させて頂いたケースでも、宝塚歌劇団やスポーツ選手、ロックバンド、またアニメのキャラクターに至るまで「追っかけ」をされている方がいらっしゃいましたが、そういった形でなくとも、基本的には好きなことを純粋に追求する傾向を持つ方が多い印象があります。
もちろんその個々のニュアンスは、在室する天体やサイン、アスペクトに大いに関係してきます。

Aさんの場合、8室に流れる支配星の水星を頂点として射手座月-双子座火星のTスクエア。
8室には他に金星や太陽も在し、基本的には人の気持ちや意向を汲むことに長け、表現そのものを深く追求していく傾向がありますが、正直で率直な物言いとシニカルな言動が災いし、誤解されがちです。

一方で、この組み合わせは言葉を使う仕事、"話す"仕事に向けられるケースも多いように思います。
声優というジャンルに興味が向くのも、5室を含めたTスクエアの影響からなのでしょう。

また、この乙女座水星は蠍座MC-冥王星を頂点とした山羊座海王星-土星と小三角を形成。
Aさんの家は代々地元の大地主。5人姉弟の三男ですが、事情により跡取りとして家を継ぐことを期待されているといった一面もあります。

しかし同時に、この配置はAさんの水星に"表現の幅"を与えており、今後Aさんが水星の分野で大きく発展していく可能性も感じさせてくれます。



内円から:Aさん出生図/CPS/トランジット
左図はAさんが初めて一人暮らしを始めるべく、アパートの契約をした日時の3重円です。

n太陽にt月-ドラゴン・ヘッドが重なっています。p月はnMC-冥王星に到達し、n月にSAMC-冥王星がコンジャンクション。
n水星を頂点としたTスクエアの一角を担っています。nドラゴン・ヘッドにはSA海王星も重なっています。
また、太陽/月のミッドポイント(HN8)にt天王星が触れています。
「始動」を示していると同時に、人とのご縁、環境の大きな変わり目をも表しています。

Aさんは就職に失敗し、大学卒業後の2年間、たまにアルバイトをしながら実家で引きこもって過ごしていました。
しかしこのままではいけないと一念発起。就職を決め、夢であった"声優"の養成スクールにも入学。同時に実家を出て一人暮らしを始められました。

平日に仕事をし、休日にスクールに通い続けて3年。t土星が山羊座に入った現在、いくつか「ナレーション」の仕事が舞い込み、少しずつ着実に夢を形にしていらっしゃるのです。




1946/12/18 18:16 オハイオ州シンシナティ
左図は映画監督のスティーブン・スピルバーグ(Steven Spielberg)の出生図です。
データはアストロ・データバンクから転載させて頂いております。

獅子座土星-冥王星コンジャンクション世代。日本で言うところの、いわゆる「団塊の世代」――高度経済成長期を支えてきた世代に当たります。

"超努力"の末に限界を突破していく世代。プレッシャーやストレスに強く、忍耐力が高い世代です。
獅子座ですから「創造的」な分野の限界へのチャレンジ。また「やりたいこと」への貪欲なチャレンジをする世代とも解釈できます。歳を重ねた現在でも、精力的に活動されていらっしゃる方が多いのも頷けますね。

6室には射手座水星が在し、射手座太陽-山羊座火星がコンジャンクション。ワーカホリックな傾向が推察されますが、山羊座の初期度数の火星がその傾向をさらに助長させています。
オポジションの位置にある双子座天王星は独自のアイディアでもって制約を突破していくニュアンスを持ちます。

6室のカスプは射手座。ワーカホリックな性質に加え、仕事の幅が多岐に渡ったり、余計なものまで抱え込んでしまったりするために、何かと"とっちらかりがち"です。



Steven Spielberg
6室の支配星、木星は蠍座5室で金星とコンジャンクション。

5室には月も在し、基本的には自らに圧力を掛け、思考を深く沈潜させていく傾向があると言えますが、創作という仕事をしているスピルバーグにとってはその"修行"のような状態・仕事量すら楽しめる素地があると推察できます。

また、その作品はゴージャスで派手な傾向を持つものが多くなりがちですし、その独特な世界観がはっきりしているのでしょう。
映画のスタッフなど周囲に自分の考えを臆せずはっきりと伝えていく「押しつけがましさ」とも言える押しの強さもありそうです。

蟹座Ascの支配星の流れ、2室カスプが獅子座であること、6室から5室への支配星の流れ、全てが5室――"獅子座""太陽"を強調している出生図であると言えます。



"Back to the Future"より
では、こういった「溢れ出てくるものを排出する」要素が強調され、他人に理解してもらいづらいはずのスピルバーグが、なぜ「世界最高のヒット・メーカー」となったのでしょうか。

それは5室の天体が全て2室の土星-冥王星にスクエアを形成していること、また6室の太陽-火星にトラインを形成していることに鍵があるように思います。

こういった配置はスピルバーグ自身が「やりたいこと」に関して制限が入りやすいと同時に、重圧を感じる傾向があることを示しています。
同時に、2室が示す「金銭を稼ぐこと」を視野に入れた仕事ができるということでもあります。プレッシャーに負けず、自分自身を追い込むこともできるのです。

つまり自分のやりたいことをなるべく損なわず、万人受けして、かつお金も稼げる商業ベースに載せるべく、適切な形にできる素地と視点があるということなのでしょう。

また、土星は年月を経るごとにこなれていきますから、こういった傾向は歳を重ねても衰えることなく、ますます強調されてくることになります。
来年(2019年)はインディー・ジョーンズの新作も公開されるとのこと、今からとても楽しみにしています。



このように、5室の衝動は確かに人に理解されづらい面がありますが、トランジット等のタイミングを取ること、またサインやアスペクト、支配星の流れをよく検討することによって、自分自身が「楽しい、好きだと感じること」――物事を実現させるための大きな燃料、原動力の方向性が見えてきます。

支配星の太陽は、「こうありたい」自分を目指していく、自分を開発していく天体でもあるからです。

そういった意味で、5室という場所は、太陽系の中で唯一決して動かない存在である太陽――唯一無二である、「特別でかけがえの無い自分」についての方向性を意識させてくれる場所なのかもしれませんね。

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